猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年8月18日(土) 読書会14:30/トークショー16:30/懇親会17:45~19:45
- 特別イベント『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』読書会&トークショー
8月18日(土)、『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』の読書会&トークショーが開催されました。
会場は、東京・渋谷のBar Bossa。
今回の課題本『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』は、Bar Bossaの店主であり、cakesでの連載等、恋愛エッセイでも大人気の林 伸次さんによる、待望の恋愛小説です。
舞台となるバーを訪れる男女が、カウンターの向こうのバーテンダーに秘めた恋を語るラブストーリー集。個々のエピソードにふさわしいお酒と音楽、流れるように移り変わる季節が物語に彩りを添えます。
美味しいお酒と素敵な音楽のあるバーという、この小説と同様のシチュエーションでの読書会は大変貴重な機会。
30名限定での参加者募集でしたが、発売前の募集開始にもかかわらず、わずか一日ほどで満員御礼に。人気と期待の高さがうかがえます。
猫町倶楽部代表のタツヤさんのご挨拶から読書会スタートです。
猫町倶楽部の読書会は、課題本を読了していればどなたでも参加できます。読書会唯一のルールは「他人の意見を否定しないこと」。
このルールに沿って、4つのテーブルに分かれ、テーブルごとに決定したファシリテーター(進行役)を中心に議論が進行します。
テーブルでの話題はさまざまな内容に及びます。
自分の好きなエピソードや登場人物、連想される小説や映画の話、このエピソードを実写化するなら配役は? もしもこの話に続きがあるなら?
また物語に登場する音楽やお酒の話、自分の経験談をお話しされる方も。
猫町倶楽部への参加は初めてという方も多かった今回の読書会ですが、同じ本を読んでいるという共通点があることで、初対面同士でも話が弾みやすいのが読書会の醍醐味。
はじめは緊張気味だった参加者も次第に打ち解け、なごやかな雰囲気で会は進んでいきます。
今回の読書会では、バーカウンターでの林さんとのトークタイムも設けられました。
テーブルごとに交代制でカウンターに移動し、グラスを片手に、カウンターの向こうの林さんのお話に耳を傾けます。
林さんと直接お話しできる絶好のチャンスです! 小説と同様に、恋の打ち明け話をされた方もいらっしゃるでしょうか。
「ねえ、マスター、わたしの恋の話、聞いてもらってもいいですか?」
読書会終了後、林さんとエッセイストの紫原明子さんによるトークショーが行われました。
共に恋愛エッセイの名手であるお二人。「出会いがない」「恋愛はコスパが悪い」問題、男女の意識のギャップなど、恋愛にまつわるさまざまなテーマについて、存分に語っていただきました。
恋愛を楽しむということはぼんやりとした感覚や言語化されていないものを楽しむということであり、知的な楽しみである、というお話が印象に残りました。
また林さんの23年間のバーテンダー経験に依る恋愛におけるバーやバーテンダーの役割、今回小説を出版されるにあたっての裏話、本当の話はどれぐらい含まれているのか?など、ここでしか聞けない数々の貴重なエピソードも飛び出し、大盛り上がりの1時間でした。
トークショー終了後、引き続き懇親会が開催されました。
懇親会では席の移動も自由で、読書会で別々のテーブルだった参加者同士も交流できます。
課題本についての話やトークショーの感想、まだまだ話し足りない恋愛トークなど、話題は尽きません。
店内も照明が落とされ、ムーディーな雰囲気の中、美味しいお酒とおつまみ、素敵な音楽を楽しみながら、夏の夜は更けていったのでした。
トークショーの中で、バーテンダーは司祭のような役割を担っていて、経験を話すことで人は昔の恋をきれいに昇華させることができるのではないか?というお話がありました。
バーで恋愛の話をすることには、そういう特別な効能があるのかもしれません。
今夜Bar Bossaで語られた恋の話が、この夏の素敵なエピソードのひとつとして参加者の皆さんの記憶を彩ることができれば幸いです。
文:凪 写真:のんこ