猫町倶楽部

10月の関西文学サロン月曜会は、ドストエフスキー『白痴』前半回。
光文社古典新訳文庫版『白痴』全4巻を2か月かけて、2回に分けて読んでいきます。（今回は第1巻と第2巻）
台風が近づく中でしたが、36名もの参加者が集まりました。初参加の方も6名！

ドストエフスキーファンや前から読んでみたかったという人など、参加理由は様々ですが、
ドストエフスキーの長編に挑む方々の意気込みに、会場のラポーティアは熱気で包まれました。





ところで、参加者の服装が皆白くありませんか…？
そうです。今回のドレスコード（※）は、「ホワイト」なのです。
なかなか壮観ですよね。

※文学サロン月曜会では、毎回服装などの装いにテーマを決めて集まっています。
あくまで「遊び」ですので、ちょっとしたもので全然構いませんが、皆でやると楽しいものです。

特にベストドレッサーに選ばれた方々は、本当に素敵でした…！





さて、今回は『白痴』の前半回ということで、
基本的には皆さん３，４巻は読まずに参加されてきた方が多いようです。
（今回の光文社古典新訳文庫版は最近刊行されたものなので、訳も平易だし、解説も丁寧でとても読みやすいです。）





主役の一人であるナスターシャについてはまだあまり語られておらず謎のまま。
それでも、彼女のエキセントリックな振る舞いは性格の問題なのか、歪んで育ってしまったのかと話し合ってみたり、
無垢なムイシキンの「好き」について論じてみたり、
ドストエフスキーの独特の語りの熱量に「セリフが長い！」と嘆じてみたり。
前半回ながら語りどころはたくさんあって、どのテーブルも楽しい読書会になったのではないでしょうか。








読書会が終わると、今度は他の分科会や月曜会の次回の課題本についての紹介があります。
猫町倶楽部の面白いところはそれぞれテーマの違う分科会（アウトプット勉強会やシネマテーブル）があり、
さらには臨時イベント（※）や参加者同士で行う課外活動も盛んにおこなわれているので、参加すればするほど友達も増えるし、楽しいですよ！

※今回は11月に行われる文楽鑑賞会の告知が行われました。観劇前のレクチャーに始まり、観劇後には三浦しをんさんの文楽本で読書会をやる、文楽尽くしの一日とのこと。
課外活動の方は読書会の仲間でハイキングや美術館に行ったり、ボードゲームしたり、最近とても賑やかです。





そのあとは、食事を取りながら懇親会の時間となります。
課題本から離れて、リラックスしながら話す時間も良いものです。

自由に歓談する時間だけでなく、テーブルごとにテーマを決めた席替えの時間もありますので、
自分の好みに応じた会話が出来るような仕組みになっています。
今回の懇親会のテーマは「愛」「酒」「映画」「漫画」でした。
僕は「漫画」を担当していたのですが、「愛」とか興味深いですよね。とても盛り上がったそうです。





そうこうしているうちに、そろそろお開きの時間。
次回の『白痴』後半回もぜひ来てくださいねー！なんて言いながら、サポーターとしてホッと一息つきます。

「うわー、今回の課題本はドストエフスキーになったかー！」

「早く読み終えて『ホモ・デウス』が読みたい」

僕たちサポーターも普通の本好きですので、実はこんな反応してたりするわけで、ハードルの高い長編小説だと皆参加してくれるかなあって心配してたりするんですよね。
でもなんだかんだ言って皆『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』とか読んでたりするもので、『白痴』の回にもこれだけたくさんの参加者が集まってくれました。





僕はドストエフスキー初挑戦でしたが、
こんな機会が無ければまず読まなかったでしょう。
とっつきにくいし、読んでも話せる相手がなかなかいないし。
けれども、読みたいと思っている人は結構いるものだなあと最近思います。
今回は特にそんな回でした。

文学サロン月曜会は古今の名作が多く課題本に選ばれているので、
難しそうと思われることもあるでしょうが、
だからこそ読み切った時の達成感や語り合った思い出はずっと後まで残るものだと思います。
面白そうだなと思われたら、是非参加してみてください。


次回の課題本は、光文社古典新訳文庫版『白痴』第3巻と第4巻。
ドレスコードは「ロシア」です。
後半回はどんな盛り上がりを見せるのでしょうか。楽しみですね！


開催スケジュールは以下の通りです。

開催日：2018年11月3日（土・祝）
開催場所：ラポーティア
（大阪市西区新町1-14-21　大阪ひびきの街ザ・サンクタスタワー１Ｆ）
※今回の開催場所と同じです。オリックス劇場の隣にあります。
受付開始：16：30
読書会：17：00～19：00
懇親会：19：00～21：00

それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
ありがとうございました。

文：taisho　写真：すっぱまん、しん