扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋藝術部

  • 2018年9月29日(土) 
  • 名古屋藝術部 岡本太郎を読む『今日の芸術』 『日本の伝統』

9月29日(土)に名古屋藝術部「岡本太郎を読む」が開催されました。


会場は藤が丘の「JAZZ茶房靑猫」です。参加者は31名、初参加の方は4名でした。

今回の課題本は岡本太郎著の2冊「今日の芸術」「日本の伝統」です。A:「今日の芸術」を読了、B:「日本の伝統」を読了、C:2冊とも読了、の3パターンの選択方式で参加を募りました。

岡本太郎の作品として最初に思い浮かぶ「太陽の塔」ですが、他の作家の展覧会で大阪を訪れた際に急に思い立って見に行った方の写真や、常連の方が持参されたフィギュアのまわりに人が集まり、読書会スタートの前から輪ができていました。



いよいよ各テーブルに分かれて読書会スタート。猫町読書会のルールはたった一つ、「他人の意見を否定しない」です。このルールが有ることで参加者の誰もが発言しやすい雰囲気が生まれます。

今回も様々な背景の方が参加されています。絵画や彫刻が好きで展覧会にもよく行くという方、興味はあるけど詳しくないので読書会をきっかけにもっと知りたいという方、毎回のように参加される方、初めて参加される方、様々な参加メンバーだからこそ読んだ本についての感想も様々で、自分だけでは気づかなかった読み方に出会う機会となっています。

読書会のテーブルでは、

・60年前に書かれたことが現在の社会にも当てはまることが多い。
・SNSやインターネットにより個人の作品発表のハードルが低くなり、全ての人が表現者であるという岡本太郎の思想に近付いている気がする。
・「芸術」と「伝統」をそれを乗り越えて新しい物を創ろうとする意志と活動により存在しているものと岡本太郎は定義しているが、自然環境や日常生活の延長線上に意図せず創られそれが心を動かすのも「芸術」と「伝統」であると自分は思う。
・「美しい」と「きれい」の違い、「いやったらしい」など、独特の表現が印象的だった。
・過去の踏襲を厳しく非難しているが、単純に否定しているのではなく彼自身は過去の芸術と伝統を理解したうえで乗り越えようとしている。
・岡本太郎の作品は好きではないが凄いエネルギーを感じる。芸術は爆発だ!のイメージしか無かったので、課題本での作品や事象に対するロジカルな文章が意外だった。
・対象を否定する向きが強すぎて共感できないところもあるが、個人それぞれがもっと自由に活発に発信しようという姿勢に背中を押される気がした。

など、様々な感想・意見が交わされました。







今回は飲物と共に特製のロールケーキもいただきた。



課題本の内容以外にも、本が書かれた当時の社会情勢についてや同時代の作家との比較、本に書かれている絵画や庭園を実際に見た感想、「芸術」や「伝統」って何だろうという哲学的な問いなど、課題本のまわりを離れたり近づいたりで話す内に知らなかった情報や思いがけない視点を得るのも読書会の楽しみのひとつです。



読書会の後は場所を移して懇親会です。今回は「最近行った展覧会について」「話し足りん(もっと課題本について話したい)」「フリートーク」の3つのテーマ毎のテーブルを用意しました。座敷席なので緩いエリア分けでテーマ毎に座ってもらい懇親会スタート。
読書会とは違う顔ぶれで、好きな作家・作品や最近のオススメの話から、読書会に参加したきっかけや課外活動について、プライベートな相談まで、課題本の影響かいつも以上に話が盛り上がりました。





次回の名古屋藝術部読書会は10月21日(日)、課題本「JAZZ THE NEW CHAPTER 5」、副読本「100年のジャズを聴く」、著者の柳樂光隆さんを迎えてのトークショー・アフターパーティありで開催です。課題本の読了とプレイリストの鑑賞が参加条件です。面白い読書会になると思いますので、ぜひご参加ください。

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