猫町倶楽部

いつの間にか朝晩に肌寒さを感じる季節となりました。

いよいよ“読書の秋”の到来です。

折角ですから、普段は手に取るのをためらいがちな長編に挑戦してみませんか。

 

今回の課題本はドストエフスキーの5大長編小説のひとつ「白痴」。

この課題本は、東京・大阪・福岡の各会場でもそれぞれ2回に分けて取り組みます。

10月19日（金）。大阪に続いて開催の、猫町倶楽部発祥の地である藤が丘会場には、初参加の６名を含む計３４名が集いました。

 

 

なんと言ってもこの日のハイライトは、課題本翻訳者の亀山郁夫さんが会場へいらっしゃったこと。

まさかの事故による新幹線の遅延にも関わらず、読書会終了間際に東京から文字通り駆けつけていただき、亀山さんから読書会参加者へ、これからこの「白痴」を更に読み進める為のアドバイスやヒントを伺うことができました。

 

 

ではこの日の読書会を振り返ってみましょう。

月曜会藤が丘会場では、読書会前に会場であるJAZZ茶房青猫のマスター・高橋さんの「ジャズ講座・歴史編」を楽しむことができます。

 

 

今回の高橋さんのセレクトはChick Coreaの”return to forever”

高橋さん曰く、彼の曲はリズムをとりづらくやたらと長いので、伝統的なjazz好きからはあまり好まれないとのことでしたが、秋の夜長に聴くのに素敵な曲でした。

 

さていよいよ読書会の始まりです。

課題本を読了して参加する読書会のルールは一つだけ。「人の意見を否定しない」。

「白痴」前半を読了した皆さんの充実した意見交換の様子を覗いてみましょうか。

 

 

「当時のロシアの社会状況を知識に入れて読むと、身分の違いなどがよりリアルに感じられるよね。」

「ナスターシャを中心に人々が円を描くように吸い寄せられていく。彼女の魅力はどこにあると思う？」

 

 

「白痴という言葉は心がきれいな人というニュアンスで使っているのでは？」

「登場人物は皆クセが強く、現実の世界にいたら関わりたくないタイプばかり・・・」

「周りに流されてばかりのガーニャが好きになれないけれど、同情できる面もあるのかも。」

 

 

「暖炉にお金を投げ込むシーンが印象的。ギラギラしていて読んでいて熱くなってくる。」

「ムイシキン公爵の愛は与える愛。与えられる事を欲する愛とは質が異なるように思う。」

「ムイシキン公爵は“哀れみで愛している”というけれど、結局本当に好きなの？」

 

 

同じ本を読んでも得られる感想は人それぞれ。

自分では見つけられなかった視点やキーワードを見つけることができる読書会を通して、作品の理解がより深まります。

 

「読書会に興味はあるけれど、なんとなく敷居が高そうで・・・」という方へ。

ちょうど来月11月4日（日）に、参加回数が0～2回までの方限定の「初心者読書会」が開催されます。

全員が初心者という半年に1度しかないこの機会、是非ご参加してみてはいかがでしょう。

 

初心者読書会はこちら：http://www.bookreading.nekomachi-club.com/schedule/60972

 

さぁまだまだ本の感想は尽きませんが、続きはこの後の懇親会で。

その前に、青猫・高橋マスターの選ぶ今日の1曲はこちら。

Michael JacksonとPaul McCartneyの掛け合いが美しくてユーモラスな”The Girl is Mine”

まるでナスターシャをめぐる、ムイシキン公爵とロゴージンのよう？

 

 

文学作品をよむ月曜会では、毎回課題本にあわせたドレスコードがあります。

今回のドレスコードは「無垢」。

各テーブルで選ばれたベストドレッサーの方々それぞれに、アイデアが光ります。

 

 

読書会終了後に会場を移した懇親会には亀山さんもご参加いただき、食事と共に読書会とは違うテーブルの方との会話も楽しみつつ、秋の夜長は更けていったのでした。

 

次回11月16日（金）の月曜会藤が丘会場は、「白痴」の第2回目。後半の3，4巻が課題本です。

今回ご都合がつかなかった方も、全4巻を読了すれば11月のご参加が可能です。

来月の懇親会は、”ちょっぴりロシアを楽しむ会“を企画中。

亀山さんもご参加くださるとのことですので、是非ご一緒に長編を読み切りましょう。

ご参加をお待ちしております。

 

名古屋月曜会11期サポーター一同

文責・写真：まりそる

 

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