扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

東京文学サロン月曜会[文学]

  • 2018年11月11日(日) 読書会16:30~18:30 懇親会19:00~21:00
  • 第11回東京文学サロン月曜会 第2会場「駒井組」 莫言『赤い高粱』

日本でなかなか読まれない、現代中国文学を読む

第11回月曜会 第二会場(通称:駒井組)の課題本は
莫言(ばくげん)の『赤い高梁』になりました。
「幻覚的なリアリズムによって民話、歴史、現代を融合させた」として、
莫言はノーベル文学賞を受賞しています。
この作品は、チャン・イーモウ監督によって映画化もされ、
ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞するなど、高い評価を得ています。



課題本は、光文社古典新訳文庫の創刊編集長、
駒井稔さんが選書しています



「暴力的な表現も多いが、実はとてもロマンチックな恋愛小説」
選書の理由について述べる駒井さん。
作品の背景や、現代中国作家・作品の紹介も。

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「心は天より高く、命は紙より薄く」(作中の一文より)
力強い自然と人間の生命賛歌

『赤い高梁』は抗日戦争時代の中国の農村を舞台に、
戦後現代の「わたし」を語り部にして、
わたしの父、母、祖父、祖母、一族の逸話が、
時空を越えて語られます。

舞台となった農村は、
赤い高梁(モロコシの一種)畑が一面に広がり、
高梁自体がまるで物語の主人公のように、
さまざまなシーンで鮮やかに描写されます。

過去のあらゆる瞬間をいきつ、もどりつの自由な構成、
過剰なほどに凄まじい人間のエネルギー、
鮮烈かつ幻想的な自然描写が
特に際立った作品です。





参加者の皆さんの意見、感想の一部
「綺麗なものと汚いものをあえて一緒に書いて、
聖俗一体の世界を描いている」
「悲惨なシーンも多いが、心理描写が少ないので
感傷的になっていなくていい」
「祖母のキャラクターがとても良い」
「全体的にキャラクターが漫画のように誇張されているが不自然ではない」
「特に自然描写は、色にとても気を使っていて
映像を意識して描かれているよう」



ちなみに作中に登場する高梁酒とは・・・
白酒の一種で、日本の中華料理屋さんでも扱っています。
アルコール度数は40~50度程度。
独特の香りで、クッと呑むと喉が焼けるように熱くなります。

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駒井組には毎回、課題本にちなんだドレスコードがあります。
今回のドレスコードは「シノワズリ(中国風)」
もしくは「赤をとりいれたスマートカジュアル」です。
さらに、各テーブルで特に素敵なコーディネートをしていた方が
「ベストドレッサー」として選ばれます。



ベストドレッサーの方々。
やはり、チャイナドレスが大人気!
上品かつ華やかで美しいですね。
中央の男性は「人民服」をイメージしたそうです。

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読書会の後は懇親会です。





乾杯!(ちなみに中国語だとgan-bei!)
高梁酒ではありませんが、お酒は飲み放題です!



今回の懇親会では、駒井さんの著書発刊を記念して、
サイン会を行いました。

サイン攻めにあう駒井さん


著書『いま、息をしている言葉で。〜「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』


読書会の運営をお手伝いしているサポーターから
サプライズのケーキも登場!

そして懇親会のあと、希望者は三次会へ。
毎回20〜30名が参加し、23時ごろまで話はつきません。


次回、駒井組は1月14日(月・祝)開催。
課題本は20世紀ロシア文学の巨匠、
ミハイル・ブルガーコフの『犬の心臓・運命の卵』(新潮文庫)。
荒唐無稽かつシュールな雰囲気が魅力の作家です。
お楽しみに!

記:かなこ 写真:真珠

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