扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

東京文学サロン月曜会[文学]

  • 11月25日 16時30分~21時00分
  • 第106回 東京文学サロン月曜会 ドフトエフスキー『白痴 3・4巻』

-–代官山chano-maカフェは、周知のとおり、というか、少なくとも多くの人が言うように月末の日曜日に「選りぬき」が集まってくる。参加者の装いはドレスコードに合わせ十分に洗練されている。ここに課題本を読み集うのが読書家達の楽しみになっていたのだ。たしかに11月25日も、わが猫町倶楽部のなかでもおそらく指折りともいえる東京文学サロン月曜会が、『白痴』3巻4巻を課題本とし、翻訳者の亀山郁夫先生を招いて読書会を開いていた。—



こんにちは。東京文学サロン月曜会サポーターのはねこです。

いつの間にか紅葉も終わり、すっかり冬の空気になりました。皆様如何お過ごしでしょうか?今回は私が、先日行われた第106回定例会についてご報告させて頂きます。



月曜会では毎回、メインの読書会1時間前に「欲張り読書会」を開いています。メインの読書会とはまた違う落ち着いた雰囲気の中で語り合いながら、自分の考えや疑問点を整理することが出来ます。この日はサポーターを含めた計7人の方が参加されました。



さて、欲張り読書会も終るといよいよ読書会本番です。

皆さん続々と来場され、受付で案内されたテーブルに向かいます。

初参加でちょっと緊張気味な方、久々の再会を喜び合う方、一足早く課題本について語り合う方。会場がにわかに活気づいてきました。



時間になり、タツヤさんとゲストの亀山先生の挨拶で幕が上がります。





—その日もすばらしい会だった。参加者たちは7~8人の班に分かれ、各班ごとに参加歴3回以上の参加者の中から進行役のファシリテーターを決め読書会を進めていった。—



—家庭的な雰囲気や親密さがただよってはいるものの、「人の意見を否定しないこと」というルールがことのほか重んじられていた。『白痴』全4巻1500ページを超える物語を読了した67人が、みんなたがいの意見を聞こうと集まってくるのである。参加者たちは心から満足してこのしきたりを守り、その目的のためにだけにやってくるのだ。

「物語が壮大すぎて結局よく分からなかった」

「ナスターシアは相対する登場人物たちの鏡の様な存在のように感じる」

「最後にナスターシアがロゴージンに助けを求めたのは公爵を助ける為だったのでは?」

参加者たちは同じ班のだれかれと意見を交わし、掘り下げ、思ってもみなかった解釈にうなずき合った。—




猫町倶楽部は議論のレベルの高さより楽しさを優先している読書会です。必ずこれを話さなくてはならないという決まりもありません。忠実に課題本について語るもよし、脱線してもよし。皆で興味ある話題を探し、皆で盛り上がっていきましょう。



今回の会では、亀山先生に各班を回って頂き、少人数の中で質問したりお話が聞ける貴重な時間を設ける事が出来ました。理解が深まり『白痴』に翻弄された参加者の心も元気づけられたのではないでしょうか?



—また、参加者たちはお互いの衣装にも目をやり、今回のドレスコードである「赤or青」に気づくと、あれこれ話をしてベストドレッサー賞を決めるのであった。—



—「この写真をご覧になって」「もっとよく見て。ほら、本を持っている方がいるでしょう。今回は亀山先生が本を贈呈してくださったの。」—



読書会の後は、楽しみにしていた亀山先生による講演会です。オリョール行きを口にしたナスターシアの真意、去勢派・鞭身派、ムイシキン公爵とロゴージンの人物像…etc.。小説を読んだだけではわからない様々な角度からの『白痴』を解説して頂き、ますます作品の面白さに気づける時間となりました。他ではなかなか聞けないお話に皆さん熱心に聞き入っています。





最後はビュッフェスタイルの懇親会です。懇親会では席の移動が自由なので読書会で違う班だった方とも交流が出来ます。お料理も美味しいと好評です。



「漫画」「スポーツ」「音楽」「絵画」本の話題以外でも話が弾みます。



もちろんゲストの亀山先生とも。



必ずではないですが手作り紙芝居屋さんも登場してくれます。



なぜ楽しい時間はあっという間なんでしょうか?
懇親会が終わりに近づくにつれ、最初緊張していた方もだいぶ打ち解けてきた様子。名残惜しいですが、「また次の定例会で」と約束を交わし閉会です。
それでも「もう少し話したい!」という方々は、亀山先生と共に3次会へ繰り出し、煌々と明かりのともる渋谷のカフェに楽しげな声を響かせるのでありました。



さて、次回の猫町倶楽部東京文学サロン月曜会の課題本は、ポール・オースター「幽霊たち」です。
12月16日(日)代官山chano‐maカフェにて皆様のお越しをお待ちしております。
…わたしの言ったこと、しっかり覚えておくのね、そのうちわかりますから!—

記:はねこ 写真:たかはし、みのり

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