扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

東京文学サロン月曜会[文学]

  • 2019年5月26日(日) 読書会:16時30分 懇親会:19時~21時
  • 第113回 東京文学サロン月曜会 有吉佐和子「悪女について」

5月とは思えない夏の陽気のなか開催されました、東京文学サロン月曜会。
普段よりは少なめの60人強の参加者の方々がお見えになりました。



113回目の今回は有吉佐和子「悪女について」。




戦後日本の社会を駆け抜け、一代にして巨万の富を築き上げた女
「富小路公子」の死の謎と生の真相に迫った内容。
既に死した主人公の周辺人物27人へのインタビューという
変則的な形式で語られる本作は、
謎が謎を呼ぶ展開ということもあり、
各テーブルとても盛り上がっていたと思います。
「人の意見を否定しない」という猫町ルール順守のもと、
様々なことが語られました。
「公子の子どもはAさん……と見せかけてBさんなのではないか」
「実はこのインタビュアーは公子の第三の子なのではないか」
「死の原因は自殺……と見せかけて実は他殺で、
Cさんとの電話の内容を盗み聞きしたDさんの仕業ではないか」
等々、いろんな意見が出るわ出るわ……。
そしてとうとう、
「公子は言うほど悪女なのか?」
「そもそも悪とは何なのか?」
と、議論は倫理道徳の根底にまで行きつくのでした。

割と硬派な文学作品が課題となることの多い猫町の中では
大衆文学寄りの作品だったので、正直
「語ることあるのか?」
と個人的には疑問しましたが、
案外あるものです。

読書会の最後には毎度おなじみ、
ベストドレッサー賞選出の儀に移ります。



今回のドレスコードは「白黒または悪」。
各組から選出された精鋭の皆さま、さすがの着こなしです。
ばっちりおしゃれして来られる参加者の方々は真に眼福。
しかしちょっとした小物使いでもOKなので、
ご自由に表現してくださればと思います。



さて読書会の後はお楽しみの懇親会。
ソフトドリンクがアルコールに替わり、
各種料理に舌鼓を打ち、
舌の回りもよくなって、
あれやこれやと話が弾みます。

そんななか、会場の片隅でひっそりと行われている猫町古書店。



本と本との物々交換の場。ツケもOKです。
そして運が良ければ紙芝居を見ることができるかも……!

というわけで今回の読書会もあっという間の閉会となりました。

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113回目でわかったこと
① どんな本でも、話すことはある。
② 人と話してみて初めて、自分がどんな感想を抱いていたかがわかる、
  ということもある。
③ 「ハイボール、大きいグラスで」と頼むと、
  お姉さんがウイスキー増し増しにしてくれる。
④ デザートの杏仁豆腐、かなり余ってもったいない……
⑤ 始まる前が一番緊張する。
⑥ 懇親会の後、話したりない人々は三次会へ。
⑦ 5月なのに夜も暑い。

そして114回目でわかること。
それはまだ……混沌のなか。
それが……猫町読書会!
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(*次回は2019/6/30、課題本は スタニスワフ・レム『ソラリス』の予定です)
文:阿久沢 写真:高橋、マヤ

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