扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋藝術部

  • 2019年7月24日㈬ 19:30~
  • 【名古屋藝術部】『そのとき、西洋では:時代で比べる日本美術と西洋美術』

7月24日(水)に名古屋藝術部の定例会が開催されました。会場は伏見の「Nov.Cafe」です。参加者は16名、うち3名が3回目で他の方は5回以上と顔なじみが集まりました。今回の課題本は宮下規久朗著の「そのとき、西洋では:時代で比べる日本美術と西洋美術」です。古代から現代まで日本と西洋の同時代の美術について俯瞰した、読みごたえのある本です。


平日開催でしたが定刻までにほとんどの参加者が席に着き、読書会開始前からにぎやかな雰囲気となりました。じつは藝術部は毎年7月がサポーターの交代時期で、今回の読書会は新メンバーでの第一回目です。リーダーのHorikeさんも緊張している様子でした。


いつものように猫町読書会のルールはたった一つ、「他人の意見を否定しない」です。このルールがのもと参加者の誰もが自由に意見を交換します。今回は美術に詳しい常連の方も多く、話題は本の内容から発展して様々な方向へ広がりました。

・「西洋の美術は壁画や柱像など建物と一体的に成立したが、日本の美術は仏像や蒔絵など
建物からはなれて成立していた」「西洋では人の目に晒されることで美術の力が増し、
日本では人の目から隠されることで美術の力が増す」といった比較について、西洋の
教会や日本の工芸品を思い浮かべてなるほどと思った。
・古代から現代までを網羅したこう教科書的な内容でありながら、紹介されている作品は
メジャーな中にほどよくマイナーが挟まれており面白かった。
・日本と西洋の同時代を並べたときに、まったく関係のない動きをしていたり、数十年
から百年遅れてお互いの後追いをしていたりと、納得しつつも拍子抜けした。
・絵画は建築に大きく影響されるので、本来想定されていた空間に近い状況で鑑賞したい。
西洋の教会に描かれた巨大な壁画は大きな空間で見たいし、日本の家屋に飾られた屏風絵は
薄暗い空間で見たい。
・以前に読んだ同じ著者の『美術の力』という本が、カラーの図版で掲載があり作品や
作家をテーマに論じられていて、とても興味深く楽しく読めた。
・美術の形式や中心地の移り変わりの背景にある、西洋国家の版図の変化や王朝の変遷を
おおまかにでも知っておくと面白そう。

読書会の後は場所を移して懇親会です。今回の読書会の話から、絵画・建築・音楽・美術・舞台など
芸術部でこれまでに開催した様々なジャンルの読書会についても話が広がりました。主催者のタツヤ
さんからは開催を検討しているイベントについても話があり、参加者からも会場やゲストや課題本に
ついての質問やそれぞれのアイデアの提案など、今後の読書会に着いても盛り上がりました。



次回の名古屋藝術部は8月18日(日)開催で、あいちトリエンナーレ2019「情の時代」鑑賞ツアーを
行います。参加希望者が多くなると思われるので早めの申込がお奨めです。課題本は「キュレーションの現在−アートが世界を問い直す」です。

また、9月14日(土)は著者の大野左紀子さんをお招きして「アート・ヒストリ−なんでもかんでも
アートな国ニッポン」と「アーティスト症候群−アートと職人・クリエイターと芸能人」の2冊から
選択制で読書会、10月26日(土)は今回の課題本の著者である宮下規久朗さんをお招きして名古屋市
美術館の「カラヴァッジョ」展鑑賞会、とイベントが目白押しです。著者から間近で解説を聞けて直接
お話もできる貴重な機会です。

8月・9月・10月と、どれも非常に面白い読書会・イベントになると思いますので、早めに課題本の用意と参加表明をしていただき是非ご参加ください。お待ちしています。

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