扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋シネマテーブル水曜会

  • 2019年8月28日(水) シネマテーブル:19時30分~ 懇親会:21時10分~
  • 第108回:名古屋シネマテーブル『よこがお』

数日続く雨に猛暑も和らいだ夜、第108回の名古屋シネマテーブルが開催されました。課題映画は深田晃司監督最新作『よこがお』です。

本日の参加者は38名。オフィス街のネオンが小雨にきらきら光る伏見駅近く、Nov.cafeとElephant Nestの二会場での開催となりました。

あらすじ

訪問看護師の市子は、その人柄と献身的な仕事ぶりで周囲から厚く信頼されていた。ある日、訪問先の大石家の娘が行方不明となる。一週間後に無事に保護されるが、逮捕された犯人は意外な人物だった。

この誘拐事件への関与を疑われたことを契機に、市子の日常は暗転。犯罪の「加害者」にされ、これまで築きあげてきた全てを失った市子は、復讐のため、ある男の前に現れる。

  

各テーブル簡単な自己紹介をして、定例会スタートです!

ドリンク片手に美味しいサンドウィッチを頬張りながら、皆さん映画の感想やそれぞれの解釈を次々と発言していきます。

 

本作の主人公・市子は、ごく普通の一般人。事件の加害者の関係者であることでみるみる日常を失っていく様を、多くの方が身につまされる思いで鑑賞されたようです。誰もが犯罪に巻き込まれ加害者になりうる昨今、自分にも似たことが起こるのではないか、また自分だったらどう対処するかと、様々な意見が出ました。

市子の人柄は皆が知るところだったのに、ちょっとしたズレの積み重ねから、善意がするっと悪意に変わってしまうのが恐ろしいですね。

猫町倶楽部のたったひとつの大切なルールは「他の参加者の意見を否定しないこと」

気兼ねなく自分の意見を発表することができるので、会は和やかに進行します。

本作の特色として、多くのシーンが観る人の解釈に委ねられています。市子に惹かれる基子の感情と相反する行動について、結婚を約束した二人が別れる場面の引きの画でどんな会話がされたのか、どこまでが現実でどこからが白昼夢か等、各テーブル様々な解釈が飛び交ったようです。

他にも登場人物それぞれの衣装の色、ペンキの赤、市子の緑色の髪等シンボリックな色の使い方に、どのような意図があるのか。また、余計なBGMを入れず環境音を使って登場人物の心理状態を表現したり、表情・演技で物語る演出が素晴らしいとの声が多くありました。

一方で、市子の体格が介護職の人にしては華奢過ぎたり、ヘアカットの描写が一切ない美容師だったりと、細かなディテールの粗がノイズになり没入感がいまいちだったとの指摘もありました。

誰にでも起こりうるメディアスクランブルを描くのは今日的であるものの、マスコミの騒ぎ方が異常で現実味がないとの声も。スマホを持った一般人が押しかけたり、SNSの炎上で同じように騒がれるのであれば、よりリアリティがあったかもしれません。

実際に介護の現場に携わっている方の意見もご紹介します。

訪問看護の現場では、トラブルを避けるために訪問先の家族とは距離を置くそうです。仕事外の時間では会わず、個人情報も教えない。劇中の市子のように、プライベートで勉強を教えるなんてあり得ないとのこと。

市子の訪問看護師としてのプロ意識の欠如が、そもそもの始まりだったのでしょうか。

シネマテーブルには、幅広い年代・職業の方が参加されます。映画に登場したその道の専門家が、こっそりテーブルに紛れていることも…。貴重なお話が聞けたらラッキーですね!

さて、猫町倶楽部にも様々な『よこがお』があり、課題作や参加者の面々によって異なる表情が楽しめます。毎回、初参加の方も一定数いらっしゃいます。

一度の参加で見られる一面だけを見て、結論を出してしまうのは勿体ない!

私たちサポーターの口癖は、「是非、続けて3回参加してみてください。」きっと猫町倶楽部の新たな魅力が見えてくるはず…?

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21時を過ぎ、Nov.cafe組もElephant’s Nestへ大移動。定例会の興奮冷めぬままに、多くの方が懇親会にも参加されました。

懇親会では毎回、「話題映画テーブル」が設置されます。本日の懇親会話題映画は、ディズニー最新作の超実写版『ライオン・キング』

圧倒的な映像美とCG技術の進化、アニメ版(1994年公開)と比較してその再現度の高さに賞賛の一方で、ストーリー上の変化が驚くほど無かったため、現代的な要素を追加しても良かったのではと、本作をリメイクする意義について疑問の声が上がりました。

CGを駆使して動物をリアルに描きすぎた結果として、動物が会話し、歌い、踊ることに違和感が生じてしまったとの、厳しい指摘も。

いまアニメ版を観ても全く色あせてないと、アニメ版の素晴らしさを再確認された方もいらっしゃいました。

お酒も入り会話の花が咲きますが、楽しい夜もそろそろお開きです。

どうぞお気をつけておかえりください。

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次回シネマテーブルは9月25日(水)に開催されます。

第109回の課題映画は『ガーンジー島の読書会の秘密』

センチュリーシネマにて公開中です。

 

猫町倶楽部にぴったりの「読書会」がテーマである本作品。

そして懇親会の話題映画は、クエンティン・タランティーノ監督最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

ミッドランドスクエアシネマ、伏見ミリオン座ほかにて公開中です。

※懇親会話題映画の鑑賞は任意です。未鑑賞の方でも定例会・懇親会のどちらにもご参加頂けます。

定例会申し込みはこちらから

↓↓↓↓↓↓↓↓↓

http://www.bookreading.nekomachi-club.com/schedule/72216

名古屋シネマテーブルのmixiコミュニティはこちらから

↓↓↓↓↓↓↓↓↓

https://mixi.jp/view_event.pl?comm_id=4993737&id=90843236

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

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文 : アネモネ

写真 : 名古屋シネマテーブルサポーター

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