扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

東京文学サロン月曜会[文学]

  • 2019年11月17日(日) 受付開始 16:00 読書会16:30~18:30 懇親会19:00~21:00
  • 第17回月曜会第2会場「駒井組」 チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』

東京文学サロン月曜会第2会場(通称:駒井組)第17回定例会の課題本は、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)です。
駒井組では「世界文学」をテーマに世界各地の文学を取り上げています。
今回は、韓国で販売部数100万部を超えるミリオンセラーとなり、日本でも約15万部の発行部数を記録している話題作を扱いました。



会場はいつものモンスーンカフェ銀座。50名を上回る参加者の方が集まりました。

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16:30になりました。
まずは、選書を担当された光文社古典新訳文庫の創刊編集長の駒井稔さんから、選書理由のご紹介です。



外国で夏目漱石全集が刊行されているのは、世界広しといえども韓国だけのようです。ところが、韓国では日本の文学作品が読まれている一方で、その逆はありませんでした。1980年代になるまで日本人は隣国の文化をほとんど視野に入れることがなかったのです。

韓国の人口は、日本のおよそ半分です。その韓国で100万部以上読まれたということは、本作の販売部数は日本でいうと200万部に相当します。そして日本でも、韓国文学がこれほど読まれたことはありませんでした。本作により「異文化を小説で読む」ことを味わってほしいと思います。

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次に、司会者から読書会のタイムスケジュールや注意点をご案内します。
猫町倶楽部の読書会は、このようなサポーターと呼ばれるボランティアスタッフによって運営されています。



猫町倶楽部の読書会における唯一のルールを紹介します。

【他人の意見を否定しないこと】

このルールがあるからこそ、猫町倶楽部では誰もが自分の思ったことを気兼ねなく発言できます。

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各テーブルでファシリテーター(議事進行役)を決定し、簡単な自己紹介から読書会が始まります。



現在、ファシリテーターはジャンケンなどで決めていますが、「やってみたい!」という方はお気軽にその旨を伝えてくださいね。

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読書会が始まると、思ったことや感じたことを好きなように話してもらいます。最近は、たとえば時計回りに「一番印象に残った場面」や「全体的な印象」といった話題からスタートするテーブルが多いようです。

参加者からは、様々な感想や意見が飛び出してきます。

作品全体を通しての感想も、色々な角度からのものがありました。



「韓国の風習を理解することができて、面白かった」
「序盤のエンタメ性を後半には活かせていない気がした」
「二回、三回と読むと、構成の巧みさがわかる」

時間が進むにつれて、作品のテーマに触れた感想も増えていきます。



「小説では触れられていないが、最大の問題は核家族化なのではないか」
「絶対悪の男性は登場せず、読みやすい」
「悪人がいないのは、もやもやとした感じが続く」
「ボタンのかけ違いがなければ日本の少女漫画のような展開になりえたシーンもあった」

韓国から日本、それら以外の国へ、という流れで話題が転じていったテーブルもありました。



「男女だけでなく、東京と地方にも格差が生じている」
「女性の生きづらさが性差によるものなのか、権力差によるものなのか、わからない」
「多民族国家で暮らした経験があるが、男女差別以外にも問題が山積みだった」

話題は尽きることなく、2時間の読書会もあっという間に過ぎていきます。

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読書会が終了すると、休憩をはさんで、ベスト・ドレッサー賞の発表を行います。

駒井組には毎回、課題本にちなんだドレスコードがあります。
今回のドレスコードは「ジェンダーレス・ファッション」もしくは「スマートカジュアル」です。
参加者の皆さんは、自由に発想を膨らませてコーディネートをしています。



各テーブルで特に素敵なコーディネートをしていた方が「ベスト・ドレッサー」として選ばれます。
ベスト・ドレッサーには月曜会オリジナル栞と、副賞として駒井さんが厳選した光文社古典新訳文庫がプレゼントされます。

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19:00からは、懇親会となります。
読書会で語りきれなかった続きを話し合う人たちはもちろんのこと、最近読んだ中で面白かった本の話題なども大変盛り上がっていました。



懇親会は21:00までです。
まだまだ話足りない、飲み足りないという方は三次会へ。
今回の三次会も、多くの方が参加してくれました。

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次回の開催は2020年1月19日(日)です。
課題本はラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』(ハヤカワepi文庫)です。
ラッタウット・ラープチャルーンサップは、シカゴ生まれのバンコク育ち。
短編小説家として、英米では高い評価を受けているそうです。

ご参加を心より楽しみにしています!

記:しょうたろう 写真:ちゃんなお

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