扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

特別イベント

  • 2019年11月20日(水)19:15~ 
  • フィロソフィア名古屋 廣野由美子「批評理論入門」

2019年11月20日(水)に猫町俱楽部フィロソフィア名古屋が藤が丘のJAZZ茶房青猫で開催されました。晩秋の季節、冬の入り口ではありますがまだまだ本格的な寒さとまではいかない気候での開催でした。



今回の課題本は、廣野由美子「批評理論入門-『フランケンシュタイン』解剖講義-」(中公新書)でした。哲学思想の本を扱うフィロソフィアにとっては、ちょっと変化球で「文芸批評」を読んでみましょうとの試みです。直近の月曜会課題本が、メアリー・シェリー「フランケンシュタイン」だったこともあり、連続で参加してもらえると相乗効果で両方ともにより理解が深まるはずとの狙いもありました。



今回の参加者は、初参加の方1名を含む総勢27名となりました。フィロソフィア名古屋としては久々の大入りで4テーブルになったのはいつ以来でしょうか。大勢の人が来てくれると活気が出ます。月曜会との連動企画にしたことが効果を発揮したかと感じています。参加者の読了状態を聞いてみますと、月曜会との連続で参加した方が半数程度いらっしゃいました。また、月曜会に参加はしていないが小説「フランケンシュタイン」を読了してから、「批評理論入門」を読んできたよとの熱心な方もいる一方で、小説の方を読まなくても「批評」は独立してあるのだから、「批評理論入門」だけを読んできたよとの方も少数ながらいました。



さて、この「批評理論入門」は以下のような2部構成になっています。前半の「小説技法篇」では小説はいかなるテクニックを使って書かれているのかを明示する。そして後半の「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を解説する。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解を深めていこうとの論旨となっています。文章は平明で論理的であり、ひとまず読了するだけであれば読みやすい本であったように思います。



読書会の中では、こんな感想を聞くことができました。
・いい文学とは、作者が無意識に書いたことを今の時代の問題に引き寄せて読むことができる。
・批評とは、こんな我田引水で良いのだろうか?いや、それこそが批評ではないだろうか。
・みなさんの幅広い知識が重なって面白く会話ができました。



また、こんな感想も出ました。
・批評の道具を手に入れることにより、小説を深く多角的に味わえるようになった。
・みなさんの意見を聞いて、自分の中ではまとまらなかった思考が引き出せました。
・参加者のみなさんが、細かいところまで課題図書を読み込まれていて、議論していき「わかるわかる」となっていく一体感があった。

小説と批評を合わせて読むことによる、有意義な読書体験ができたのではと感じています。



懇親会は「とりとり亭」に移動して13人と大勢の方に参加していただきました。なかなか盛り上がっていたように記憶しているのですが、残念ながら写真を撮り忘れました!次回は忘れずに写真も撮ります。

次回のフィロソフィア名古屋は、2020年1月22日(水)JAZZ茶房青猫にて開催です。
課題本は、千葉雅也「デッドライン」(新潮社)になります。
申込は↓こちらから。
http://www.bookreading.nekomachi-club.com/schedule/76259

フィロソフィア名古屋のmixiコミュニティは以下のようになります。
https://mixi.jp/view_community.pl?id=6236210
皆様の参加を歓迎しています。

開催レポート担当   文章: 潤  写真:まりそる。



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