扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

関西文学サロン月曜会[文学]

  • 2016年8月6日土曜日 受付開始14:20 読書会14:50〜16:50 懇親会17:15〜19:15
  • ◆浴衣読書会◆関西文学サロン月曜会第18回 永井荷風「濹東綺譚」

焼けつくような太陽の、汗も滴る真夏の午後。関西文学サロン月曜会の読書会が開催されました。
今回は年に一回の夏の特別なイベント、浴衣読書会です。その名の通り、ドレスコードの浴衣を着て参加します。浴衣着用というハードルがありながらも、42名もの参加者にお集まりいただきました。
課題本は、永井荷風の「濹東綺譚」
さて、どんな模様だったのでしょうか。ちょっくら覗いてみましょう。

開催場所は、梅小路公園の緑の館
和室の窓からは、綺麗な華咲く庭園が見えます。



扉を開けると、受付嬢がお出迎え。
名前をお聞きして、名札にその日呼ばれたい名前(ニックネーム)を書いていただいたりして、その日のグループのお席にご案内します。



読書会は6~7名のグループに分かれて、テーブルを囲みます。
それぞれのグループには、ファシリテーターと呼ばれる司会進行役が一名います。ファシリテーターが、会話の流れを作ったり取りまとめたりして、参加者をサポートしていきます。

続々と集まり始める参加者の皆様方。
浴衣姿がとっても華やか!その様子を眺めているだけでも幸せな気持ちになってしまいます。

開催時刻になったところで、司会からの挨拶と、全体の流れの説明です。



今回は、浴衣読書会ならではの特別に用意してあるものがいくつかあるんです。
順番に紹介していきましょう。

まずは昨年に引き続き、「青洋」さんオリジナルデザインの和菓子。
課題本を読んで、内容にちなんだデザインをしてくださったんです。
ういろうのモチモチした食感と、ほんのり甘酸っぱいフランボワーズの餡で、あっさりと食べやすい仕上がりになっています。
男女の恋物語をイメージして、フランボワーズを使ってピンク色で甘酸っぱくしたんだそう。ワンポイントで、猫町男爵もつけてくださったんですよ!



また、添え物のお菓子も和風で夏らしいものにしました。
お干菓子と金平糖です。



さらに、猫町倶楽部オリジナルうちわ2016年verも!お一人様一つずつ、お持ち帰りいただきます。
こちらは以前サポーターでもあった、ねむこさん渾身のデザインのもの。イラストレーターや写真の撮り方など、一から勉強して作り上げたそうです。

   



お菓子とうちわの紹介が終わり、いよいよ読書会・・・その前に!
猫町倶楽部のたった一つのルールを聞いてください。
「他人の意見を否定しない」
これが心地よく過ごすための、大切なルール。これさえ守ればあとは自由!
さぁ、楽しい読書会の始まりです!

「濹東綺譚」
作家の大江匡は、小説の取材のために玉の井という私娼街へ出掛ける。そこでお雪という娼婦に出会う。擦れていない、どこか純朴さが残るお雪との出会いと別れまでを描いたお話。



「情景描写が豊かで、心理描写が少ない」
「東京に住んでいたことがあるので、昔の記憶が懐かしく思い出されて楽しく読めた」
「江戸っ子ならではの会話のテンポがいい」



単純に、感じたことや思ったことから始まり・・・



「結局のところ、二人は愛し合っていたのか」
「主人公は永井荷風そのもの」
「60、70歳になっても恋愛を謳歌するのは羨ましいけど、実際はできないよね」
「主人公くらい高齢の男性から愛人にならないかと誘われたらどうする?」
「今の恋愛の感覚と昔の恋愛の感覚は全く違うので、理解できない」



疑問に思ったこと、内面世界に突っ込んだ話や、登場人物への批判が出たり。



「主人公はお雪さんの商売相手として手玉にとられただけだと思う」
「お雪さんは男性にとっての理想の女性像が入っている。だからこれは擬似恋愛ではないか」
「下町の方が銀座よりも裏表がない、実直さがある。永井荷風はそこが好きだったんじゃないか」



登場人物の真意や舞台裏の考察などに及んでいく。
心理描写が少ないからこそ、人によって色々な解釈がされたようです。

名残惜しいですが、読書会はこれで終了です。
各グループごとにベストドレッサーを1名ずつ選んでいきます。
皆さんそれぞれ素敵な浴衣姿なので、いつもよりベストドレッサーを選ぶのが難しかったのではないでしょうか。



妹さんの浴衣をレンタルした方、見た目の涼しさをテーマにした方、登場人物を模した方など、それぞれ想い想いの素敵なコーディネートです。

そして締めくくりに皆で課題本を手に集合写真をパチリ☆



場所を緑の館内の「京野菜レストラン」に移し、懇親会の始まりです。
「九条ネギのマリネ」「鯛のカルパッチョ」などの美味しいお料理とお酒が、テーブルを彩ります。





読書会の続きの話をしたり、そこから派生した話や好きな本の話、趣味の話などで再び盛り上がります。







夜が差し掛かったところで懇親会の終了です。
皆さん、お疲れ様でした。

有志を募って、3次会へ行くこともあるんですよ。



暑い中たくさんの人に参加していただき、運営スタッフとして嬉しく思いました。
グループごとに盛り上がるポイントだとか話の焦点が違ったりするのが、今回個人的におもしろく感じました。懇親会で別のグループの人と、お互いのグループではどんな話になったのかを聞き合ってみるのも、新たな発見があるかもしれませんね。



次回の関西文学サロン月曜会は9月3日(土)。課題本はガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」。ドレスコードは「ラテン」です。
会場がいつもと違うのでご注意ください。「oinai karasuma」というコワーキングスペースです。懇親会は別会場、京風イタリアンレストランの「アオゾラオソラ」です。
夏の名残を感じながら、ミステリ本片手に秋の入口へ参りましょう。

文章:あおい 写真:タクミ、ゆうみ

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