猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年8月24日 読書会19時15分~ 懇親会21時40分~
- 第141回 名古屋アウトプット勉強会『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
8月24日、名古屋駅そばのウインクあいちで、第141回名古屋アウトプット勉強会が開催されました。課題本は、「ぷろりん」の愛称で知られる『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』。著者は、20世紀初頭のドイツ人社会学者マックス・ウェーバーです。
天気予報では開催日にちょうど台風が上陸するかもしれないとのことでしたので、開催が危ぶまれましたが、1日早く通過したため、無事に開催することができました。(少し風は強かったですが。)
今回の課題本については、参加者の皆さんから「学生時代に読もうと思っていて、読了できずそのまま家に積読(つんどく)になっている。」「マックス・ウェーバーなんて、難しい感じがするけど最後まで読めるかな。」など、事前の感想がそれぞれ寄せられました。中には、「岩波文庫より日経BP社の版のほうが読みやすい。」「インターネット上に大学のレジュメが載っているので、このレジュメに書き込みながら読むと分かりやすい。」という情報交換もなされ、読了を目指す皆さんの意気込みが感じられました。また、当日は、東京の猫町倶楽部に参加している方が、「出張で名古屋に来たので、猫町倶楽部発祥の地に興味があった。」ということで、名古屋のアウトプット勉強会に来てくださいました。
では、当日の会の模様を見てみましょう。
サポーターからの諸注意(猫町倶楽部の唯一ルール、ベテランの参加者にはおなじみの「他者の意見を否定しない」ですね。)が述べられたあと、グループの中でファシリテーター(司会進行役)を選出します。選出方法としては、名古屋アウトプット勉強会では、サポーターが「ファシリくじ」を作成しています。このくじの中には数字が書いてあり、一番大きい数を引いた人がグループ内のファシリテーターとなります。
ファシリテーターが決まった後は、それぞれのグループでアウトプットが開始されます。今回は、どんなアウトプットがされたのでしょうか?
「学生時代、この作者の本に出会ったおかげで社会学に興味がでた。今でも色あせない内容。」
「キリスト教が根付いていない日本がなぜ資本主義となったのか。」
「プロテスタントと資本主義の考え方は、(この本を読む前は)真逆なのではないかと思っていたが、同じベクトルを向いていると学んだ」
「トルコやメキシコなど、労働力が過多であるにも関わらず資本主義が浸透していない地域があることも、プロテスタントが浸透していないことで説明ができる。」
今回の課題本は、日本人として思う「キリスト教」についての感想が多かったようです。
「学生時代にプロテスタントの家庭とカトリックの家庭にそれぞれホームステイをしたが、雰囲気が全然違った。プロテスタントの家庭は質素で暗い感じで、カトリックの家庭は明るい感じで楽しかった。」
「自分が思っていたプロテスタント像と違っていた。どちらかというとプロテスタントはお金を稼ぐイメージが強く、現代には「質素・倹約」というその本質が残っていないかもしれない。」
「そもそも現代の教会は公的な税金で運営されており、いいかえれば公務員のような位置づけとなっている。昔に比べて教会運営がゆるくなっている。」
また、現代人の働き方についての意見も多く出ました。
「現代の働き方は、アイデアを多く出すことがもてはやされることがある。そのためにリフレッシュの時間が必要となっている。」
「働き方の選択肢が多いのはいい。」
「働き方改革は、働かせ改革ともいえる。」
など、様々な視点のアウトプットが出されました。
アウトプットの終了後に明日からの自分に生かす「実行宣言」を書き出し、お互いに共有します。今回もどんな実行宣言がされたのでしょうか?
「苦しい読書にこそ猫町の意味がある」
「人生の宿題が終わってよかった。宗教観が人に与える影響を頭に入れて交流しよう」
「自分の心理的推進力について考えてみます」
などなど、皆さんのきっと今日の生活に生きていることと思います。
集合写真を撮影し終わった後は、懇親会会場へ移動しました。さらに、そこでも「ぷろりん」読了までの苦労?話で盛り上がりました。
最後に次回の予告をさせていただきます。次回、第142回のアウトプット勉強会は、9月17日(祝・月)に「教養主義のリハビリテーション」を課題本に開催します。当日は、著者である大澤聡先生もゲストとして参加されますので、ぜひご参加ください。多数のご参加をお待ちしております。
文・HIROKO/写真・オプレ