扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋文学サロン月曜会[文学]

  • 2019年5月19日(日) 
  • 柴田元幸が月曜会にやってくる! ポール・オースター『オラクル・ナイト』

2019519日、今年も藤が丘JAZZ茶房靑猫で、柴田元幸さんをお招きしての月曜会特別イベントが行われました!なんと今年で9年目となるこのイベントに、今回は61名の方にご参加いただきました。「毎年これが楽しみ!」、「今回初参加でドキドキしてる!」等等、会場が様々なワクワク感につつまれていましたね。

課題本はポール・オースターの『オラクル・ナイト』。不思議なブルーのノートをきっかけにいくつもの世界が重層的に絡み合う、魅力的な物語でした。
イベントは三部構成となっており、読書会・柴田先生のトークショー&翻訳教室・懇親会と盛り沢山の内容!

 

第一部の読書会では、様々な解釈が飛び交いました。

猫町倶楽部には「他人の意見を否定しない」というルールがあるので、気持ちよくアウトプットができますね。

「シドニーは見えない現実を、青いノートによって言葉にできて満足したのでは。」

「グレースとジョンは本当に関係があったのか?ノートに書いたことによって真実になってしまったのでは。」

「言葉が力を持つという箇所は日本の言霊(ことだま)に通じるものがあると思った。」

「いろんな時間の軸がずれてると思った。」

「チャンの存在は疑わしく、シドニーが自分のために作り出した存在かもしれない。」

「注釈が多いが、それを読むと物語への理解が深まる。」

「読み終えた時、低温やけどのような終わり方だと思った。」

「重層的に話が展開するが特に意味はないと思う。深読みせず気楽に読む話ではないか?」

「入れ子構造かと思ったら、物語がもっと複雑な絡み方をしていて驚いた。」

「この物語のように、私たちの人生も重層的にかさなりあって連続している。

 

読書会中には、柴田さんがテーブルを順番に回って直接質問に答えてくださる贅沢な時間もありました…!

Q「注釈が長いのは何故?」

A「人は物語を一貫して生きているのではなく、一つの物語から別の物語へ行き来している。その揺らぎを読者が追体験できる構造になっているのです。」

 

Q「チャンは一体何のために存在したのですか?」

A「チャンがどう考えているかよりも、チャンが物語をどう動かすかが重要。チャンは狂言回しのような存在です。」

 

読書会の終わりには、青猫マスターの高橋さんが課題本に合わせて選んだ「今日の一曲」を紹介してくれます。今回は、Billie Holiday “Am I Blue?”でした。

 

各テーブルから選ばれたベストドレッサーの方々はとっても素敵な装い。今回のドレスコードは「夜」。夜や星空をイメージする洋服や小物、なんとおもちゃのカンヅメも登場しました!

ベストドレッサーに選ばれた皆さま、おめでとうございます!


第二部は柴田さんのトークショー&翻訳教室。トークショーでは、参加者の方から寄せられた質問に答えてくださったりと、じっくり柴田さんのお話を聞くことができました。

 

Q「作中、シドニーがブルーのノートに書いている時に姿が消えているのは、彼が小説の中に入っているためですか?」

A「『人が何かを物語っている間、人はそこにはいない』というのがオースターの考えです。この心理を誇張表現しているのではないでしょうか。人は常にここにいながら、ここにいないですよね。例えば、サシで話していても、頭の中は違うこと考えているとか…。」

 

Q「英語初心者におすすめの小説はありますか?」

A「オーディオブックで聞くには、19世紀の物語がおすすめです。ラフカディオ・ハーンの『怪談』とか。原文に挑戦するなら、カズオイシグロの『日の名残り』、ポール・オースターの『ムーン・パレス』、AA・ミルンの『クマのプーさん』もおすすめです。」

 

Q「翻訳をする時、『自分』を入れますか?」

A「翻訳する時にはなるべく自分を入れないようにしています。けれど翻訳というのは意味の伝達である以上に、読んだ瞬間の快楽の伝達。自分が読んだ時の快感を伝える、そういう意味では自分を入れているとも言えます。目標は何も考えないことです。」


 

質問に答えていただいた後は、翻訳教室の時間です。今回の課題文は、ポール・オースターの新作『4321』の冒頭部分。


事前に課題文の翻訳に挑戦すると、柴田さんに添削してもらえるという何とも贅沢な企画です。今回は29名が翻訳にチャレンジ!柴田さんに直接ペン入れをしていただいて返却された答案は宝物ですね。

選ばれた何名かの訳は、前のスクリーンに映し出されて、その場で添削していただけました。

優秀な翻訳を提出した3名に柴田さんからプレゼントが贈られました。柴田さんが訳されたエドワード・ゴーリーの絵本と、村上春樹さんとの対談集『本当の翻訳の話をしよう』です。


トークショーの終わりには、柴田さんにギターの弾き語りをしていただきました。曲はクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」。美しいギターの音色と優しい柴田さんの歌声が、青猫に響き渡りました。


第三部は懇親会!参加者同士で話足りないことを語り合ったり、柴田さんを囲んでトークショーでは質問できなかった話を聞いたり…おいしいご飯とお酒を片手に、お話しが止まらなかったですね。お互いに翻訳教室の答案を見せ合って、「そういう訳し方もあるのか!」とお話しされている方々もいました。


 


今年も充実した楽しいイベントになりましたね。また月曜会でお待ちしています!

 

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mixiコミュニティ『名古屋文学サロン月曜会』

http://mixi.jp/view_community.pl?id=2226186

 

 

文責:おぜみさ

写真:月曜会11.5期サポーター一同

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